ルートの立て方

ルートの立て方

ここに書いてあるすべての情報はVATSIMでフライトするためだけに使用します。実際のフライトでは使用しないでください。

ルートの選定

まずIFRでのフライトの際のルート選定について見てみましょう。

IFRでは航法施設や自機に搭載された航法装置を使ってフライトを行います。このときルートを作成するに当たっては地上にある航法施設とそれを結んでいるルート(航空路)を使います。なおRNAVでの運航が可能な場合はRNAVルートを使ってルートを計画していきます。

航空路
航空路とは航法無線施設(VOR, NDB等)を結んで設定された経路です。航空路の識別はアルファベット1文字と数字を使って行います。国内航空路には"V"や"W"に番号をつけたもの、国際航空路は"A", "B", "G", "R"に番号をつけたものとなります。なおこの航空路の途中にもフィックスがあります。

RNAVルート
航空路とは別にRNAVルートがあります。これはRNAVでの運航が可能な航空機が使用するルートで、航法無線施設を経由しないフィックスがあります。従ってFMSを搭載し、そのデータベースに従って飛行できる航空機でないと使用できません。その名称は"M", "Y", "Z"に番号が付きます。

洋上転移経路
洋上管制区と陸上にある無線施設をつなぐルートで、"OTR"に番号がついた名称となります。

さてここで疑問が生じます。航法無線施設同士をつないでルートをつくっても、その航法無線施設にはどうやって向かったり、空港へ着陸するときにはその施設からどうやって着陸するのでしょうか?そのときのルートがSID(標準計器出発方式)、STAR(標準到着経路)です。またSTARの各計器進入方式の進入フィックスまで接続されており、これで出発空港と目的空港のルートが完成します。

SID(標準計器出発方式)
IFRで出発する航空機が航法無線施設もしくは航空路へ接続するために設定された経路です。各空港のチャートにはこのSIDがほとんど記載されています。なおさらにトランジションと呼ばれる転移経路と呼ばれるルートが設定してある場合があります。

STAR(標準到着経路)
IFRで到着する航空機が航空路から目的空港の計器進入方式の進入フィックスまで向かうために設定された経路です。これも各空港チャートに書かれています。なおSTARが設定されていない場合があります。このときは当該航法無線施設が計器進入方式の進入フィックスになっているはずです。

ルートの選定にはまず航空路を使い、それに繋がるSID/STARを見つけて設定をしましょう。またRNAVルートを使う場合は、他の航空路に繋がっていないフィックスから外れて、直接別の無線施設に直行するようなルートは避けてください。

航空路やRNAVルートについては航空路誌やエンルートチャートに掲載されています。またFSにもマップに掲載されていますが、資料が古い場合がありますので、注意しましょう。

国内における標準的なルートについては、http://www.vatjpn.org/en/routes.phpが参考になります。

高度の選定

巡航高度は飛行する磁方位で決められます。

フライトレベル290未満
磁方位:高度
--------------------------------
0~179度:奇数×1000フィート
180度~360度:偶数×1000フィート
※VFR機は上記高度+500フィート

フライトレベル290~410(RVSM空域)
磁方位:高度
--------------------------------
0~179度:奇数×1000フィート
180度~360度:偶数×1000フィート
※VFR機、RVSM非対応機は飛行不可

フライトレベル410を超える場合
磁方位:高度
--------------------------------
0~179度:FL450、FL490あとは4000フィートごと
180度~360度:FL430、FL470あとは4000フィートごと

一方航空路やRNAVルートには最低経路高度(MEA)と呼ばれる高度が設定してあります。これは地表の障害物に衝突しないように設定された高度です。MEAはエンルートチャートに記載されていますので、航空路を使うときには必ずMEAより高い高度を使うようにしましょう。またそのようなフライトプランを提出した場合、管制官によって修正されることがあります。

ルートの書き方

VATSIM.netのウェブもしくはSquawkBox、FSInnでルートを書く場合はどのようにすればよいのでしょうか?
まずIFRでのルートの選定で示したように航法無線施設を結んだルートを書いてみましょう。例えば福岡空港から羽田空港までの場合はこのようなルートが考えられます。そしてルートは基本的に「SID(またはTransition)の終点FIX」から「STAR(またはIAP)の入り口」まで書くのが基本ですので、下記のようになります。

TAE Y23 BATIS Y21 ADDUM

これは…
1. TAE(大分VOR/DME)へ向かう。
2. TAEからY23いうRNAVルートに乗り、BATISまで向かう。
3. BATISからY21というルートに乗り、ADDUMまで向かう。

ということを意味します。なおADDUMが羽田空港のSTARの入り口となりますので、ここまで書いておきましょう。なおSTARが設定されていない場合は、使用を想定しているアプローチ方式のVORやFIXになります。Y23には他にもたくさんのフィックスが書いてありますが、このようにそのルートの始点と終点を書くことで省略できます。

なお、ここにはSIDが書かれていませんが、福岡空港離陸後は、TAEにつながるSIDを見つけ(この場合はOGUNI FOUR DEPARTURE, OITA Transitionが適切です)、飛行してください。

またRNAV1での運航が可能な場合は、YOKAT THREE RNAV DEPARTURE, YANKS Transitionを使用して羽田空港へ向かう事も可能ですので、ルートには、
YOKAT YANKS Y23 BATIS Y21 ADDUM
と書くとよいでしょう。

VATSIM参加者の手持ちチャート類は、皆が最新版とは限らずにバラバラです。 ですからVATJPNでは、フライトプランのルート欄にパイロット自らSIDを記載していただく方法を推奨しています。

例) OGUNI4.TAE Y23 BATIS Y21 ADDUM
例) YOKAT3.YANKS Y23 BATIS Y21 ADDUM

レーダーベクターによる出発

チャートが見つからないなどの理由で、SIDが分からない場合はレーダーベクターによる出発ができます。これは管制官に当該無線施設や航空路までレーダーによるベクターをしてもらう方法です。このときは管制官からベクターの指示がありますので、それに従いましょう。フライトプランのルート欄に「R/V」と書いて、さらに続けて無線施設名等を記述して、それを知らせましょう。

(例)
R/V TAE Y23 BATIS Y21 ADDUM